にごらない

超雑記

みんな本当に育児を楽しめているのか

 子供を育ててみて、育児を趣味にしなければ親も子も精神的な死を迎えてしまうというのが感想なんですが、どうにも趣味とするには趣味としての興味が持てなくて困っている。なりわいだと思おうとすると、過去なりわいにすべきものをいくつも途中でブン投げてきた身としては「じゃあブン投げますね」となる。これは結構切実に解決方法が知りたい。画像に意味はない。


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 このままだとたぶん興味の持てないままでもブン投げる訳にもいかないので私の人生で言えば大学の卒業に9年かかりましたとかそういう感じになる。育児でそれに当たる事象といえばネグレクトが近い気がするし、実際うちの子は育児を最優先の趣味とすることができない我々両親から話を流されてることが多々あるので、例えばコミュニケーション能力の発達が人の倍以上時間がかかるとかのあたりで帳尻を合わせそうな気がする。虐待する親が裁判で一様に「子供をかわいがっていた」というの、非常にわかります。残念ながらとてもかわいいんです。でもそれとこれとは別なんです。怖い。ここまで書きながらこれWebで全世界に発表していい話なのかわからないところも怖い。


 やってることの知識を貯めることは好きなので育児について様々に勉強した結果、数時間試験の傾向を参考書等で読んだだけで保育士資格に合格してしまった。無勉で受かりました自慢ではなくて厚労省などから与えられた育児マニュアルを穴のあくほどに読み込んで育児していた結果なのでその辺はどうかご理解いただけると幸いです。試験一発で人の命を預かる国家資格が取れてしまうのはあまり良くないのではないか、このまま合格するとあまりに保育士試験のハードルが低すぎるのではないかと、ピアノなら練習しなくても二次試験に臨めたのにあえてままならないギターに挑戦したくらいには保育士試験に時間を割く必要がなかった。


 あ、ひとつだけ保育士試験に関して有益そうなことを書くと、とにかくとっとと受かりたい人でピアノ等を習ったことないし家に鍵盤もない人が二次試験で音楽を選択するなら、ギターが激烈におすすめです。保育士試験対策のピアノ講座に数千円払うならその数千円でギターを買いましょう。ピアノは右手と左手で違う動きをしなければならないのに対し、ギターの右手は上から下に振り下ろすだけなので左手にだけ集中すれば良い。与えられたコードをググって左手指の押さえ方を覚えるだけです。しかも試験官はピアノの上手下手はわかりまくるけどギターの上手下手は多分よくわかりません。鍵盤に比べて安いし場所を取らないしなんならギター弾き語りが死ぬまでの趣味にもなるし、いいことづくめです。レッツトライなのです。でも現場で採用の合否に関わるほど求められるのは圧倒的に鍵盤技能なので、本気で保育士するならピアノがんばりましょうというオチ。


 我ながら保育士の実務自体に就くことは決して向いていないのではないか、いやむしろ子供大好き一本のゴリ押しで保育士になった人よりは幻想を抱かない分仕事が続くのではないか、社会を維持する資源としても小人を大切にするというのは極めて合理的だし他人の子供もすべてかわいいとは思える、など煩悶するも、好きとか趣味がてらとかいう気持ちがないと仕事に就くことができない保育士の給料を見ると正直断念せざるを得ない。


 つまり育児はなりわいとするには見返りが少なすぎるし趣味とするには参入障壁が高すぎる上に趣味性も高すぎるんです。だから私のようなタイプが育児を納得しようとすると先ほども申しましたような社会的要因からその必然性に唸るのが一番良いのかなと今のところは考えています。その場合自分の子供である必要はないとも思うので、社会的意義が強く感じられるのであれば保育士になってやりがい搾取にダイブするのも悪くないかもしれない。ただ結婚していて子供を持つのに問題がない家庭なら血縁関係があるほうが祖父母の支援を得られるし、子供を自給自足するほうが効率が良いかとも思います。


 うむ、向いてねえ! でも本能でどうにもクリアできなかったことを理性や知識でなんとかするというのは人類の本懐だよ矢口。がんばろう人類。